今週ある女性の面接をしました。 この女性は、筑波大学のMBAコースに通われているラーナーさんの クラスメートの留学生で、「優秀な人材なのでDCECにどうですか?」 とご紹介をいただいたのです。 詳しく聞くとミヤンマー人とのこと。 ミヤンマーの人とは今まで話をしたことがなく、ミヤンマーの イメージとして持っていたのは、 かつてビルマと言っていた国で、軍事政権が長らく国を治めて いたこと、アウンサンスーチーさんの非暴力民主化運動によって 2016年に民主政権が発足したこと。 今はミヤンマー西部のイスラム系少数民族ロヒンギャが迫害され、 現在80万人以上がバングラデシュに逃れ難民キャンプで暮らしている ということくらいしかしりませんでした。 国連UNHCR https://bit.ly/2w8ffOa そんな知識しかなかったので、全く新しい国の人と話ができると わくわくする一方、英語力は高いのだろうか? との心配も していました。 最初に送られてきたCover letterとResumeをみると英語力、構成 ともにかなりしっかりしています。 そして最初にいつも通り英語のテストを実施したところ、満点に 近い高得点だったので、面接に進みました。 彼女の服装は白いシャツに黒のスーツと、カジュアルな格好で 面接に来る外国人の応募者もいるなかで好印象です。 面接では流ちょうな英語で質問に対しても的確にこたえ、まず 英語力に対する心配は解消しました。 でもなんといっても印象に残ったのは、彼女はすごく前向きに 人生を送っているということでした。 大学の学士号を2つも持っているので、どのようにとったのか 聞いたところ、昼間に一つの学部に通い、夜間はビジネスの 学部に通って、ほぼ同時に二つの学部を修了しています。 その後、韓国の世界的な大企業に就職して働きながら、 国の発展と子供のサポートをするNGOにも貢献しています。 そして、ミヤンマーの産業やミヤンマーの抱えている問題、 政治などについて質問すると、これもよどみなく、いろいろと 説明してくれました。 この話を聞きながら、果たして日本人は、日本について 聞かれて、このようにすらすらと自分の意見を言えるのだろうか と心配になるほどでした。 彼女は、留学先を決めるとき、ヨーロッパとオーストラリアの 大学、そして筑波大学を比較して筑波を選んだということで 日本人としては嬉しかったのですが、彼女は日本に来て 大きなショックを受けたとのこと。 何にそんなにショックを受けたのか聞くと、 やっぱりかという気持ちと、早く何とかしないと 日本に来る外国人が減ってしまうという危機感を感じざるを 得ません。 彼女の日本の印象は、非常に秩序だっていて人は優しい、 ハイテクで食べ物はおいしい。生の魚は食べたことが なかったので怖かったけれども、美味しいからと進められ 勇気をもって目をつむって食べたところ本当においしかった と好意的です。 でも日本に来た時に英語が通じないので、どうしたらいいか わからずにすごくショックを受けパニックになったというの です。 大学院は英語のコースなので学習には支障がないのですが、 毎日の生活にコミュニケーションが取れず、最初は本当に 辛い思いをしたようです。 また、MBAを取った後、せっかく日本に来たので、できれば 日本で就職したいと思っているけれども日本語ができない 自分にはたぶんチャンスがないだろうと、すでに半分 あきらめています。 大学を出た後、韓国のグローバル企業に勤め英語で仕事を してきた彼女、そして医者のお姉さんはニュージーランドで 働く予定をしているというグローバルファミリーにとって、 今のグローバル時代に英語の通じない日本は、遅れた国に 見えてしまったのかもしれません。