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ベトナム人はみんなグエンさん?


DCECは常に様々な国の出身者と仕事をしています。 だいたい常に6カ国ぐらいの出身者が一緒に働いているのですが、ラーナーさんにとっては、ご自分のレッスンを担当するガヴァネスくらいにしか接する機会がないかもしれないですよね。

よくラーナーさんとお話をしていて、そんなガヴァネスがいるのを知らなかったということもお聞きします。

そこで、これから、時々、DCECで働いているメンバーにそれぞれの出身国について紹介してもらおうと思っています。

名前は聞いていてもその国についてよく知らないということが多いと思います。ここでの紹介を聞いて、その国の理解者になってください。 その国に行く機会があればその知識がなんかの助けになるかもしれません。

初回の今日は、レセプションを担当しているベトナム出身のゴックさんに書いてもらいました。

この文章は、大学、大学院で日本語を学んでいた彼女自身が日本語で書いたものです。すごいでしょう。

車内ではもちろん英語でガヴァネスたちとコミュニケーションをとりラーナーさんたちとは日本語でコミュニケーションを取っています。

この文章を読んで、何かベトナムについて彼女と話をしてみてください。

****************************** フエン・カン・ゴック

ベトナム人は皆家族?

もちろんそうではないですが、次の3つの特徴で、知り合いでもないベトナム人は同じ家族のメンバーだと見られるようになりました。

▲昔々ベトナム人は同じ親から生まれたと言われています。

これはベトナム人は誰でも知っている昔話です。今のベトナムの領域では昔々海から来た竜の男神様と山から来た仙人の女神さんが出会って結婚して、卵を100個産みました。その後、100個の卵から100人の子供が生まれました。 しかし、しばらく一緒に暮らしていると、仙人の女神様が山の実家に戻りたくて、半分の50人の子供を山に連れて帰って、それが今のベトナムの山の土地に住んでいる少数民族の源で、残った50人の子供は竜の男神様と海に近い平地に住み続け、それが現在のベトナムで人数が一番多いキン族の源です。この話は、先祖代々伝えられ、ベトナム人は同じ家族だったので、何かあれば必ず団結し、お互いに助け合うべきというモラールです。

▲ベトナム人は、皆「グエン(Nguyen)さん」のようです。

ベトナムでは、英語圏の国や日本と比べると、苗字の数がかなり限られています。最近ベトナム人が出たニュースがあちこち見られると思いますが、多くのは「グエン○○さん」という名前が出ているようですね。在日の日本企業に勤めている「グエン」の苗字を持っている友達は「ニュースに出た『グエンさん』はあなたの親戚なの?」と聞かれたことがあるそうです。

実は、ベトナムの名前には、他の苗字もあります。例えば、「Huynh(フエン)」や「Tran(チャン)」や「Le(レー)」等ですが、数的には「Nguyen(グエン)」が一番多いのが間違いないです。ホーチミン市人文社会科学大学の文学部の調査によると2,000人の内、「グエン」の苗字を持っている人は約39%でした。理由は様々ですが、一番の理由はベトナムの封建時代に、倒された王朝に関係のある人は新王朝に殺されないように苗字を変えることだったと言われています。

苗字が少なく、一致することが多いので、ベトナム人は日本や英語圏の国と違って、丁寧に呼びかける場合でも、人の苗字ではなく、名前の方を使っています。尚、結婚すると、女性は夫の苗字に変更しません。子供だけ父親の苗字を名乗ります。

▲会話のとき、家族のメンバーを呼ぶ代名詞をよく使っています。

ベトナム語で会話するとき、自分と相手に使う代名詞はかなり複雑です。 英語のように「I」、「You」の二つしかないのではなく、さらに、日本語と違って、社会的な関係や位置より年齢に基づいて使うべき代名詞が決められます。尚、フォーマルな発表や文章以外、多くの場合は家族のメンバーを呼ぶときに使われている代名詞を使用しています。

男性の相手を呼ぶ代表的な例用を見てみましょう。 1)「anh」/アイン/ 家族では「お兄ちゃん」という意味で、社会では、自分より少し年上の男性をこのように呼びます。 そして、フォーマルの場合に会った男性にも使われます。

2)「chu'」/チュー/ 家族では父親の弟さんである「叔父」という意味です。社会では自分より結構年上ですが、自分の父親より若い人を呼びます。フォーマルの場合には使わないですが、お客さんと直接に対応するときに使ってもかまいません。

3)「ba'c」/バック/ 家族では父母のお兄さんである「伯父」です。社会では父母より年上の人を呼びます。これもフォーマルの場合にあまり使わないですが、お客さんと直接対応するときに使ってもかまいません。

4)「o^ng」/オング/ おじいさんという意味です。 年寄りの人や新聞、公式の文章に出た男性の人物に使われています。 上記の説明は簡単すぎで、日常に使われるとき、自分を称する第1人称や地方の方言によりその代名詞の意味が変わります。 年齢に基づく代名詞ですから、相手に初めて会ったとき、年齢を判断するのはとても大事なことです。自分より年上か年下か、そして年差がどのぐらいか、ベトナム人はすぐ判断します。判断が難しい場合、とりあえず自分が年下の人として会話を進めた方がいいです。あるいは、年齢を聞くのが失礼だと思ったら、生まれた年や仕事の経験などを聞いても大丈夫です。

上記の三つの特徴はベトナム人のイメージを描くのにまだ十分ではありませんが、「ベトナム人が不思議なこと」を少しでも説明できたらうれしいと思います。現在のベトナムは経済の発展とともに、欧米の文化の影響により、個がさらに尊重され、社会での役割が徐々に減ってきています。従って、「皆家族」という考え方は田舎の村に住んでいるお年寄りだけに残るかもしれません。それはおそらく世界のどこでも止められない風潮のようですが、よく考えると少し寂しいことではないでしょうか。

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