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経営者が英語を学ばなければならない理由


今、アマゾンのAudibleで本を読んでいるのはいつもお伝えしていますが、 これを聞いていていつもびっくりするのが声優さんのスキルの高さです。 作品中には、男性や女性、しかも壮年のキャラクターから子供まで出てきて 年配男性が話していたと思うと女の子が話すというように、多くの登場人物の 声で話が進んでいくのですが、ナレーターを調べてみるとたった一人で、 これだけの人たちのことを演じているのです。 さすがプロフェッショナルだと感心します。 しかし、先日ある本を聞いている時、そのプロフェッショナルによって がっかりさせられるようなことがありました。 その本は「金融世界大戦 第三次大戦はすでに始まっている」というもので、 ドルと金融システムによる覇権をアメリカが守るか、中国やロシア、そして EUが覇権を分割するかどうかの金融戦争について書かれたものです。 リーマンショック後の金融危機をアメリカがFRBにドルを大量発行させ、 米国債を買い支えるQEによって辛くも凌いできたのが限界になり、 日銀にQEの肩代わりをさせ、黒田総裁が異次元の金融緩和を実行している などと、新聞ではなかなか見られない、世界金融市場の争いを解説し、 「なるほど世界の金融はそのように動いているのか」と感心させられる 内容です。 内容に引き込まれているときに、ナレーターが「クレンシー」と言いました。 最初なんのことかわからなかったのですが、次に出てきたときに 「あ〜、"Currency" のことか」、とわかりました。 カタカナで書くと「カレンシー」ですね。 それがわかった瞬間は、なんだこんな言葉もわからないんだったら、 この内容はあてにならないんではないだろうかと感じてしまったのです。 でも、次の瞬間に、 「そうか作者はわかっていても、ナレーターが"Currency" と書かれていたのをクレンシーと発音したんだな、」 とわかって筆者に対する不信を取り払ったのですが、ちょっとしたことが 相手に対する信頼を落とすことにつながると実感した瞬間でした。 実はこれ、世界と仕事をするときに気をつけないといけないことなのです。 今、世界では色々な国の人が英語でコミュニケーションしているので、 発音が多少違っても大きな問題にはなりませんが、通訳を使ったとき、 通訳が中身を理解しないまま直訳すると、この会社はビジネスの内容を 「わかっているのか」との不信を招いたり、自信がなさそうに見られたり してビジネスの足を引っ張りかねません。 先週末に参加したインターナショナル投資カンファレンスで、逆のことが 起こりました。 アヤラランドインターナショナルのCEOのアナさんが、 英語でプレゼンテーションをして、プロの通訳が日本語に通訳して 進んでいきました。 私はブースでお客様の相手をしているときにアナさんの講演が始まりました。 アナさんは、自信を持ってはっきりとした声でプレゼンをしている声が ブースにも聞こえてくるのですが、その通訳の声がボソボソしていて何を 行っているのか聞こえません。 そこでお客様との話が一段落したところで、講演会場に入って行って 見ました。しかし会場の中でも通訳の日本語は不明瞭でわかりにくい だけでなく、通訳はアナさんの講演を聞いて通訳するのではなく、 事前に書いた原稿を手に持ってそれを読んでいるのです。 下を向いているので声がマイクに入らず、また、今、講演者が話した 内容とはズレている内容も、そのまま原稿を読んでいるので、 聞いていてもよくわからないのです。 これは、日本語がわからないアナさんにも感じたようで、 プレゼンが終わるとすぐによってきて、 「今の通訳はどうでしたか? 前にMr. Sasakiと一緒にプレゼン した時と聴衆の反応が全く違いました」とがっかりしていました。 英語力で行ったら、プロの通訳として生計を立てている彼女の 英語力の方が私よりもはるかに高いのだと思います。 しかしながら、通訳の場面がビジネスになると、ビジネスの中身を 知っている私の方が適切な通訳ができるということだと思います。 ここから言えるのは、企業の経営者はご自分で英語を話せるように ならなければビジネスで最初からハンデを負っているのと同じ ということです。 今更英語をできないとして、プロの通訳を雇ったり、若手に コミュニケーションを任せているのでは、今のグローバル時代に ついていくのが困難になりつつあります。

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