先週は、暖かいフィリピンのゴルフ場で気持ちの良い風に吹かれながらメルマガを書いていたのですが、今回は氷点下の日本で書いています。これだけ寒いと逃げ出したくなりますね。
さて、先週のゴルフ場ではアヤラの社員と二人で色々な話をしながら、仕事をしていたのですが、その時に日本とフィリピン、どちらで仕事をするのが外国人にとって幸せなのか考えてしまいました。
実はそのアヤラの社員はアメリカ人で、サンフランシスコで生まれ、大学を卒業し、しばらくしてからフィリピンに渡ってアヤラで働き始めたという経歴の持ち主です。
彼に「アメリカに帰らないの?」と聞いたところ、 「今は、フィリピンの方が楽しいんだ」との答えでした。
彼が言ったフィリピンにいることのメリットは次のようなものです。
・フィリピン人たちはみんなフレンドリーで働きやすい ・みんな英語で話すから言葉の心配がない ・フィリピンからはアジア各国に気軽に行けて刺激的
・フィリピンは物価が安くて暮らしやすい ・フィリピンのライフスタイルが良い
彼は、アヤラインターナショナルのアジアオセアニア担当なので、日本、香港、シンガポール、オーストラリア、ニュージーランドなどをしょっちゅう飛び回って仕事をしています。また、彼はおしゃれで便利な先端都市BGCに住んでいて、休みには気軽な電動スクーターに乗ってショッピングモールに行くそうです。日本では公道を走ることができないセグウェイのようなスクーターがフィリピンでは合法的に走れるというのも羨ましいですね。
もちろん近場以外に出かける時にはホンダの車で出かけます。
また、別の週末にはホワイトサンドビーチが美しく、世界トップアイランドにも選ばれているボラカイ島に行ってマリンスポートを満喫するそうです。
BGCやマカティのコンドミニアムはすごく便利で快適です。私もフィリピンに行くときは、だいたいコンドミニアムに滞在しますが、コンドミニアムにはコンシェルジュやドアマンがいて、出かける時はグッドモーニングと挨拶しながらドアを開けてくれ、帰ってくるとやはりグッドイブニングと言って、ドアを解錠しなかに入れてくれます。
コンドミニアムにはだいたいプールとジムがついていて、自由に使うことができます。
先日泊まったコンドミニアムは、32階の部屋から1階に降りるとスターバックスやコーヒービーンズ&ティーリーフというカフェがあり、朝食にスタバのキャラメルマキアートなんてことができ、オフィスまでは徒歩10分でした。
1階にはカフェ以外にパスタのレストランや、スーパー、コンビニなども揃っていて本当に便利です。
彼の話に戻ると、平日には、週2回夜10時からクラブの仲間たちとフットサルを楽しんでいるとのこと。
そして流石にアヤラの社員だけあって、すでにアヤラのコンドミニアムを2軒所有しているというのですから、アメリカに帰るよりフィリピンで働いている方が良いというのも頷けます。
どうですか? こんな生活あなただって憧れませんか?
一方、外国人が日本にくるとどうなのか?
去年の年末にアメリカに帰ってしまったクリスの例で考えてみましょう。
彼はハーバード大学卒なので、卒業時にゴールドマンサックスなどの投資銀行からも声がかかったのですが、そんなところに就職するよりも今活気のあるアジアを見てみたいと、日本にやってきました。
見知らぬ世界に胸をワクワクさせながら日本につき、就職活動をしたところ、日本語が話せない彼は、ほとんど門前払いで就職試験を受けることも出来ません。
日本語を話せなくても問題ないということでDCECで働き始め、英語を教えることもやりがいを感じてはいましたが、大学の専攻とは違う職ですし、日本語を話せないと受け入れないという日本企業の姿勢に将来の展望を見ることができず、これだったらアメリカの方が大きなチャンスがあると、アメリカに帰って行きました。
いかがでしょう、同じアメリカ人でもフィリピンに行ったアメリカ人は生き生きと生活を楽しみ、生きがいを感じて暮らしているのに対して、日本に来てしまったクリスは将来展望が描けずにがっかりして、帰国しなければならなかったのです。
ほとんどの日本人は、バブルの頃の豊かだった頃の日本の記憶をひきづっていて、日本に来て働きたいと思っている外国人が多いと思っていますが、それは幻想であることを知らなければなりません。
それは、今回日本企業をいくつか訪問して話をしていた時にギャップを感じました。
三井物産のオフィスはマカティの中心にあり、マカティの中心で働いているフィリピン人の人材は、豊かで競争力のあるグローバル人材なので、日本企業が、いまのグローバル競争力のあるフィリピンの現状を早く認識して、ビジネスを進めないと日本は中国などに追い越され取り残されてしまうという危機感を持っていました。
一方、郊外のテクノパークに立地しているメーカーから見たフィリピンは全く違う景色が見えているようでした。
工場の現場で働くために、多くのフィリピン人が低賃金でいくらでも応募してくるという認識です。これはほとんどの日本人がフィリピンに抱いているイメージに近いものでしょう。
いまの世界は、マカティで働いている優秀なグローバル人材を世界各国が奪い合っている状態なのですが、日本人の目に入るアジア人は工場の現場で低賃金で働く単純労働者しか入っていないのです。
日本は目に見えるところでは大きく変わってしまったことを多くの日本人もわかっています。
例えば、先週フィリピンでご案内したお客様は、バブル時代に4,000万円で買った越後湯沢のリゾートマンションが、今や300万年になってしまったとおっしゃっていました。
これは目に見える変化なので、ほとんどの日本人がわかっています。
しかし、アジアの国と日本との関係もそれと同じように大きく変わってしまっているのですが、直接目に見ることができないため、バブルの頃に持っていた印象をそのまま持っているのです。
でも、アジアの人たちは日本人が思っている以上に豊かになっています。
一つの例をあげましょう。
今回、TESZARAのお客様にご購入いただいたコンドミニアムが完成しました。103平米の2ベッドルームで、立地は、マカティ、BGCよりも少し不便なエリアですが、欧米のBPOビジネスオフィスが立ち並ぶ経済特区に位置しています。
これを賃貸に出して欲しいとの依頼を受け、月250,000円程度で広告を出したところ、1週間のうちに、中国人、韓国人、フィリピン人の家族から借りたいとの要望が入りました。
月25万円だったら日本人だって躊躇するような金額ですが、フィリピン人を含めてこのように借りたい人が殺到する、それがいまのフィリピンなのです。
下記の記事は先週ご紹介したのですが、ここでまたご紹介します。この記事を読んで少しは危機感を持たないといけないのが今の日本です。
●もし私が10歳の日本人なら…世界的投資家の「驚愕の問いと答え」 現代ビジネス http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53747