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英語とビジネスのヒント


 

■21世紀の新世界へのビジネストリップ

 

今日は、最初に私のバーチャルなビジネストリップにお付き合い下
さい。

2007年5月○日。私はビジネスの拡張のため、ある業務の依頼の打
合せにインフォシス・テクノロジーズを訪問した。空港から車で混
雑した道を1時間ほど走るとインフォシスに到着した。ゲートを一
歩中に入ると外の雑然とした世界とは別世界が広がっている。リゾ
ートのような大きな岩ときれいに刈り込まれた芝生に囲まれたプー
ルとパッティング練習用のグリーンが目に入ってきた。ゆったりと
した雰囲気で食事ができるレストランが数軒と豪華なフィットネス
ジムもある。そしてガラス張りの瀟洒なビルがまるで雑草のように
毎週にょきにょきと建っている。
敷地内のセキュリティは厳重で各ドアを見張る監視カメラがある。
IDカードを首からぶら下げたエンジニアがきびきびと歩いているが、
インフォシスの社員であっても自分の担当するセクション以外のビ
ルには入る事ができない。
私を迎えてくれたCEOのナンダン・ニレカニが説明してくれた。
「こちらのビルでは欧米企業向けの特注プログラムを作成していま
す。また、その隣のビルでは欧米の多国籍企業が社外秘の技術開発
を行っている研究所の管理運営、コンピューターの保守点検を行な
っています。その右のビルでは特殊な開発研究計画を行っています。
「では次に私どもの世界会議センターにご案内いたします。」
案内された部屋は、早稲田大学の階段教室のような雰囲気の大きな
部屋でその壁の一面が巨大なスクリーンになっていた。
「これがわれわれの会議室です。このスクリーンはデジタルスクリ
ーンを40面合わせたものでおそらく世界で最大級のものでしょう。
私たちはこのスクリーンを使い24時間、ニューヨーク、ロンドン、
ボストン、シンガポール、香港、オーストラリアなどと結んで、
それぞれのクライアントとリアルタイムで生の映像を見ながら会議
を行なっています。」

私はもうすっかり感心してしまった。ここには国境などという概念
は無いかのようだった。

次に訪れた企業は24/7カスタマーだった。
ここは、一部屋に20人ぐらいが入っている部屋が並んだフロアがい
くつか合って、全員が電話にかかりっきりになっている。ここはコ
ールセンターの企業なのだ。
アメリカの消費者にコンピューターの使い方の問題解決を行なった
り、欧米の旅客機の乗客のために紛失した手荷物を探したり、ある
いはクレジットカードの売込みをしたりとありとあらゆる電話がさ
れている。ここでおもしろいのは、ここはマイクロソフトだとか、
こちらはデルなどのようにそれぞれの部屋の入り口に顧客企業の旗
が掲げられていて、ビルの中の部屋ごとに欧米のあらゆる企業が同
居しているような景観を呈しているのだ。

二日間精力的に打合せをこなした私に嬉しかったのは、次の土曜日
にインフォシスのCEOのニレカニがゴルフに誘ってくれた事だった。
しかしここでも驚いた事が待っていた。
KGAゴルフクラブの一番ホールのティーグラウンドに立つとニレカニ

「マイクロソフトかIBMを狙った方が良いよ。ゴールドマンサックス
を狙うとちょっと危ない。」という。何か新しいビジネスのことか
と思ったらそうではない。一番ホールのグリーンの向こうにその3社
のガラス張りのビルが輝いているのだった。9番ホールからはヒュー
レッドパッカードとテキサス・インスツルメントのビルがみえ、テ
ィーマーカーにはエプソンのロゴが入っていた。

さて、ここで読者のあなたに質問です。私が行ったのはどこでしょう
か?

そう、もうおわかりの方もいらっしゃいますね。これは、インドのシ
リコンバレーといわれるバンガロールです。あなたのイメージの中に
あるインドとは全く違った風景だったのではないでしょうか。

私たち日本人が眠っているうちに、今や世界はインターネットと光ケ
ーブル、そして英語によって5年前とは全く違う世界になってしまっ
たのです。

今世界はアメリカの企業を筆頭にヨーロッパの企業もこぞってインド
の企業にアウトソーシングをしています。いまだかつてなく多くの人
々がリアルタイムで、そして平等な立場で共同作業をし、競争してい
ます。中国との違いは、インドは知識集約型の業務を請け負っている
ということで、これが可能になった要因としては、インフラとしての
インターネット、ブロードバンドの普及とワークフローソフトウェア
の進化、そして一番大切なものがインド人の英語力です。今やそのア
ウトソーシングのフィールドはどんどん広がって、ソフトウェアの開
発ばかりではありません。
例えばアメリカの会計事務所は、顧客の前年の所得税の申告書や源泉
徴収票、その他申告に必要な書類をスキャンしてサーバーに保管する
と、それをインドの会計士が個人を特定できる情報以外の部分にアク
セスし、所得税申告書を作成する。今までアメリカの会計事務所で大
半の会計士がしていたそのような単純な処理はすべてインドにアウト
ソーシングできる様になっているのです。このような処理が2003年に
25,000件されたのが、2005年には400,000件に上っている。たぶん10
年もしないうちにアメリカの所得税申告のような処理はすべてがイン
ドで処理されるようになっている事でしょう。このような状況の中で
アメリカで会計士として生き残れるのは、合法的な節税法のアドバイ
スや顧客の複雑で創造的な戦略のアドバイスなどができるごく一部の
者になっているでしょう。
また、アメリカの病院ではCTスキャンの画像の読み取りをインドにア
ウトソースしています。放射線医が画像をインドに送ると、アメリカ
の夜間にインドで診断を下し、朝には結果が届いているということで
す。
また、インド企業B2Kのブリックワーク部門では世界的企業の重役に
インドから専属アシスタントを供給しています。たとえばある企業の
重役が2日後にプレゼンテーションをする必要があると、ブリックワ
ークの遠隔重役アシスタントがインターネットなどを使い調査をし、
パワーポイントでプレゼンテーション資料を作りE-mailで送信して、
プレゼンの朝にはデスクに用意されている、というような按配です。
そしてこのような作業を毎年89,000人生み出されるMBAが行なってい
るという。
これは欧米人とインド人が同じ英語を使っているという環境だからこ
そ成り立っている関係です。そしてアジアの国々もそれがわかってい
るので、各国こぞって英語力向上に血道をあげています。

このようなアウトソーシングの波は、今インドからフィリピンにも移
ってきています。インドのバンガロールに対し、フィリピンのマカテ
ィ地区が欧米企業の一大拠点化しつつあります。フィリピンはもとも
と英語を使っている国でインドよりもなまりが無い、仕事も丁寧とい
うことで人気が出ています。

そしてあの中国も、今インドに追いつけ追い越せと英語力とITスキル
の向上に力を入れています。
中国は安い賃金の下請工場の地位から変身しようとしているのです。
それに対して日本は、過去の中国、中国自身が脱皮しようとしている
低賃金工場としての中国に戦いを挑み、正社員を派遣社員に置き換え、
労働分配率を下げ下流社会へとまっしぐらに進んでいます。

このままではおかしい、世界の動きはすっかり変わっている、という
情報は日本の新聞、雑誌をしていてもあまり伝わってきませんが、
TIMEやインターネットを英語で眺めていると世界のリアルタイムの動
きが良く見えてきて、日本はすっかり取り残されていくのが見えてき
ます。

英語力向上は、海外旅行や趣味だけの時代は過ぎ、日本の生き残りの
ために必須のスキルになっています。日本の経営者のトップ、政治家
のトップはすぐにでもそのことを認識し、今すぐに最高の努力始めな
ければなりません。5年後ではもう遅いのです。

※今回の記事は、

「フラット化する世界」トーマス・フリードマン著 日本経済新聞社
TIME
インフォシステクノロジーwebサイト
  http://www.infosys.com/default.asp

などを参考にいたしました。


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