■ワーキングプアにならないためには?
最近、テレビや新聞で毎日のように格差社会の進行が取り
上げられています。そして、心配なのがワーキングプア、すなわち
働いても働いても貧困から抜け出せない人たちが増えていることで
す。
あなたは、この問題をどの様に捉えていますか? 一時的なもので
きっと景気がもっと回復すれば解消される問題だよ、とか思ってい
ませんか? あるいは、自分には関係ないからあまり真剣に考えた
事がないのではないでしょうか?
でも実はこの問題、かなり構造的な問題であり、真剣に対処してい
かないと自分自身やあるいは、お子さんをお持ちの方は、お子さん
が社会人になる頃には大変な問題になるとの認識が必要です。
なぜなら、この問題の原因はグローバル化、世界のフラット化であ
りこの流れは逆戻りする事はありえません。
グローバル化が進んだ結果、まず、世界中から安い物が入ってくる
様になりました。100円ショップに行けば、えー本当にこれが100円
なのと思うものが溢れています。また、衣類にしてもバブル期と比
べたら、きちんとした品質の物が1000円、2000円で買える様になり
ました。
消費者としての立場からは、何でも安く買えるようになって非常に
嬉しい事ですよね。
でも逆に生産者の立場からしたら非常に苦しい立場に追い込まれま
す。例えば中国では一人当たりの人件費が日本の1/10の労働者を使
い、機械は日本と同じものを使い生産しています。
日本の業者が中国では作れない付加価値の高いものを作っている場
合は問題ありませんが、たとえば衣類の場合、同じようなデザイン
で同じような品質だったら消費者は絶対安い方がいいので、中国製
のものを買います。
ここで、日本企業はなんとかコストを抑えようと、今まで正社員で
製造していた現場を業務委託や派遣などの安い労働力に置き換えて
います。これを可能にしたのが小泉政権での規制緩和です。従来、
工場の現場では認められていなかった派遣をOKにしました。
でも、考えればすぐにわかることですが、これだって競争力はつき
ません。例えば、正社員と比べれば1/3の人件費になったとしても、
中国人と比べればそれでも3倍以上の人件費です。派遣一人で中国
人3人以上の働きをしないと同等にはならないのです。
ということはこのような競争をしていくと、行き着くところは、日
本人派遣の人件費が中国人と同等になるまで下がっていくというこ
とです。
そしてそれを更に悪化させているのが政府の場当たり的な外国人研
修制度です。これは、日本の技術を発展途上国の人たちに学ぶ機会
を与え、国際貢献をするという建て前で行なっていますが、実態は
安い中国人などを工場で苛酷な環境で働かせているというものです。
これは二重、三重の意味で日本に害を及ぼすので、即刻やめるべき
制度だと私は思います。
一つは、かなり安い賃金で働かせているので、日本人の派遣などの
給料を更に下げさせる圧力になること。
二つ目は、低賃金で長時間労働をさせているので、外国人の日本に
対する印象を悪いものにしていること。
そして三つ目。過酷な労働に耐えかねて逃げ出す外国人は、そのま
ま不法滞在になり、不法滞在者には当然きちんとした仕事があるは
ずも無く、犯罪者になって日本の治安悪化につながる事。
現在日本のワーキングプアは、非熟練労働者から始まっています。
非熟練労働者とは、特に自分に際立ったスキルが無く、誰でもでき
る仕事に携わっている人たちを言います。したがって、工場の現場
で派遣で働いている人などは、この典型です。
これがグローバル化の進展とインターネットにより、今後、さまざ
まな職業に及んできます。例えば、アメリカでは、単純作業を行な
っているシステム開発者はどんどんインドに仕事を奪われています。
また、会計士も納税申告などの決まりきった作業はどんどんインド
に奪われています。これは従来非熟練労働者とはいわれていなかっ
た職業の人たちです。このような職業の人たちも、その職において
際立つ差別化ポイントが無いと仕事が無くなるのです。
そうすると、今日本では非熟練労働者のワーキングプアの問題がク
ローズアップされていますが、今後数年で、中国やインドでできる
業務についている人たちすべてが、ワーキングプアになってしまう
危険をはらんでいるのを早めに認識するべきです。
そもそもワーキングプアーの問題は、数年前からアメリカでは騒が
れていました。その波が数年遅れて日本にやってきたのです。
当然社会で格差が広がると、下層化してしまった人たちの不満が増
大し社会が不安定になる要因になります。政府としては、すぐにで
もこの問題が拡大しないように手を打たないと、日本の荒廃が進ん
で行ってしまいます。
もちろん政府にばかり要求し個人として何もしないのでは下流化し
てしまうリスクは増大します。
では、どうすればいいのか?
やはり一番は英語を使いこなせるようになって、世界の情報をいち
早く自分でつかめる様になること。また、日本企業でなくても、ア
メリカ、欧州、アジアどこの国の会社でも働けるようになる事が大
切です。
DCECの生徒さんでも、このところ多くなっているのが、会社が買収
されて急に外資系になってしまった、とか、新任の上司が外国から
来て会議とメールは英語で行なわなければならなくなったなどの事
例です。あと10年もしたら、中国人やインド人の上司になっている
かもしれませんよ。その時になってあわてないように、このメルマ
ガの読者のあなたは、すぐに英語力を使いこなせるようになりまし
ょう。
今、日本企業のトップにいる人たちは、まだ自分が現役のうちは
英語を話せるようにならなくても定年に逃げ込めると思っていま
す。でもこれから5年もしたらそうは行かないのがわかってあわて
るはずです。だから、あなたはそうならないように先に手を打ち
ましょう。それがあなたの価値を高める事になるのは間違いない
のですから。
|