|
|
English & Business TIPS 2005.4.9
|
| |
ライブドアに学ぶ起業とファイナンステクノロジーの関係
みなさん、自分でビジネスを始めたいと思いませんか?
日本では、バブルの崩壊以降、会社に勤めていていいのだろうか、給料やボーナスは減る一方だし、いつリストラの対象になるかわからない。なにか自分に才覚があれば自分で起業をして一国一城の主になりたいと思っている人は多いのではないでしょうか。
それを裏付けるように、起業関係のメルマガが数多くヒットし、起業の雑誌などもたくさん出版されています。
そして、そんな人たちにとってライブドアの堀江さんは自分で起業をし、成功しているジャパニーズ・ドリームを実現した憧れの的といえます。
私自身もあのように成功したいと思います。
ただ、堀江さん個人についてはいろいろ好き嫌いありますし、本日の本題からは少しずれますので深く触れませんが、ライブドアという会社がこれからのビジネスを考える上で非常に参考になるので見て行きましょう。
ここでちょっとライブドアってどんな会社か見てみます。
1996年4月に有限会社オン・ザ・エッヂとして創立されています。
1998年9月にインターネット広告事業としてサイバークリックを開始
12月にクリック保証型電子メール広告サービスとしてクリックインカム(現 melma!)を開始。
2000年4月 東京証券取引所マザーズに株式を上場
→まず、これが注目です。なんと創立4年で上場しています。
そして、この後の展開がまた大きな特徴ですが、
まず最初に株式会社キャピタリスタ(投資会社)を設立しています。
その後は、株式交換などファイナンスの知識を駆使してM&Aを繰り返し、グループを拡大していっています。2003年などは、毎月1社ずつ買収し、子会社化しています。
そして、そのときの資金が株式交換、すなわち銀行からの借り入れなどせずに自社株の価値を上げ、それを交換する事で会社を手に入れているのです。
→これがもう一つの注目ポイント。
一般にライブドアはIT企業といわれていますが、実は投資会社といってもいいかもしれません。それも、短期間にこれだけM&Aを繰り返しているのでファイナンスに関する知識と実績は、フジテレビなどよりはるかにあるわけです。
いや、フジテレビどころか、ライブドアのニッポン放送買収によって初めて法の不備を認識させられた国があわてて法の整備に走っているのは、いかに日本の政府が遅れているかを示しています。
つまり、ライブドアの成功の要因の重要なものの一つがファイナンステクノロジーにあると言う事です。
今回のニッポン放送を通じて実はフジテレビをコントロールする事は、一般に人たちの常識からすると考えられません。
だって、ライブドアは創業10年も経っていないで売上は300億ぐらい、利益はせいぜい数十億しかありません。そんな会社がどうしてニッポン放送の株の過半数を取得するだけの資金を手にする事ができるのでしょうか。
これを可能にしたのがMSCB、すなわち転換社債型新株予約権付き社債を800億円発行してそれをリーマン・ブラザーズ証券が引き受けたからなんです。
リーマン・ブラザーズ証券もそれを引き受けても損をしないと思ったから引き受けたわけで、このあたりの仕組みのことになると私達の理解を超えています。
このような事を見た上で、私達の現実の世界に返って、ファイナンステクノロジーが私達の起業に関してどのように重要なのかをこれからお話します。
現実に会社を辞めて起業をするとなると先立つものはお金です。
私も起業をしてみて、なぜ、日本ではベンチャーがなかなか成功しないのか骨身にしみてわかりました。
なぜなら、日本で金融機関からお金を調達しようとすると、都市銀行から信用金庫から政府系の国民金融公庫まで担保と連帯保証人を要求します。
今でこそ、都道府県や市などが創業支援として、数百万円の無担保資金を融資してくれるようになって来ていますが、基本的にはそれを超えたら必ず担保と連帯保証人です。
ということはよほどの資産家でもない限り金融機関から資金は借りられないということです。
次に例えば創業資金は何とか退職金などで調達して創業したとします。創業したとしても当然すぐに利益が出るわけはないので、2、3年は苦しい資金繰りが続きます。
実際DCECも1年目は毎月赤字、2年目で時々単月黒字が出る状況にはなったものの、まだ累積の赤字は大きく残っています。
しかし、何とか生徒さんも増えて、カンパニーレッスンも増えて、いよいよさらに拡大に向けて充実させていこうという段階になると、当然のことながら新たな資金が必要になります。
ここで、例えば金融機関に行くとどうなるでしょうか。
例えば国民金融公庫は毎月のように資金が必要ありませんか?とダイレクトメールを送ってきます。もし、金融機関がどのように判断するところか経験していなければ、大きな期待をしてしまいます。
「向こうからこんなに言ってくるんだから貸してくれるだろう。」
ところがどっこい、その時に返ってくる答えは
「担保はありますか?」「誰か資金力の有る人の連帯保証人は?」
私は幸いに前の会社のときに、いろいろな銀行などとの付き合いがあり、どんなところかよくわかっていたので期待はしませんが、下手に期待して、行く先々で融資を断られたら、
「あーやっぱり資産家でもない自分が起業をしたのは間違いだったんだ」
などと落ち込んでしまうのがおちです。
このときに会社の決算書を提出して、
「ほら見てください。こんなに業績も上がってきて利益も出るようになって来ました」と言っても、ほとんどそれを評価してくれません。
というか、そのようなものを評価して融資をする仕組みになっていない、と言ったほうがいいかもしれません。
では、どうするのか。
間接金融(金融機関からの借り入れ)はベンチャーは当てにしてはいけません。
☆社債発行
直接自分で市場から調達するのです。
現在デラ・クルーズは少人数私募債という社債の発行の準備を進めています。社債を発行してまず市場から資金を調達します。調達できたら、その資金を拡大に向けての会社の充実に使います。
☆フランチャイズ化
そして、いろいろな仕組みがきちんと整備できたら、次はこの仕組みをフランチャイズ化します。
☆ベンチャーキャピタルからの投資を受け入れ
フランチャイズ化の形ができてきたら、ベンチャーキャピタルからの投資を受け入れてさらに資金を調達します。
☆IPO(株式上場)
最近はベンチャー向けの市場がたくさんできてきたので上場のハードルはかつて程高くなくなってきています。
上場できたらファイナンステクノロジーを駆使して、その株式を最大限活かし、発展していくのです。
このような形で、銀行ではない資金調達を考えていかないとベンチャー企業が大きく発展していく事はできません。
ただし、私の視点から見ると今回ライブドアはやりすぎてしまいました。これから、ライブドアはいろいろ大変な事になっていくと思われます。
これまで経験してきたM&Aの会社とニッポン放送・フジテレビグループとでは規模や影響の大きさが桁違いです。
●ニッポン放送の上場廃止の危機
上場企業は広く一般の投資家から資金を集めるために上場するのであって、株主数が極端に減ると上場を廃止しなくてはならなくなります。その基準は「大株主上位10名が上場株式数の75%を超えた時」
今回当然これに抵触します。すでにニッポン放送の株価はこれを恐れてどんどん下落しています。したがって、ライブドアはすでにニッポン放送株で含み損を抱えてしまったわけです。そしてその含み損はライブドアの利益を奪います。
→ライブドアの株価が下落します→今まで成長の原動力となってきた自社
株の価値増大が逆回転し始めます。
●もう一つの株価下落要因MSCB
ニッポン放送の買収資金を調達するために発行したMSCBとは、引き受けたリーマン・ブラザーズ証券が時価よりも安い価格でライブドアの株式に転換できるものです。したがって、現在リーマン・ブラザースは、どんどん株式に転換して市場でライブドアの株式を売却しています。
売りが多ければ株価が安くなるのは常識ですね。
リーマンとしては、ボランティアではないので利益を上げるためにそのような行動を取るのは当たり前の事です。
この二つの要因でライブドアの株価はどんどん下落するでしょう。
この先どうなるのでしょうか。
|
| |
▲トップページへ
(C) 2005 Dela Cruz English Club / all rights reserved.
|
|